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2024年10月19日更新
アポカリプス・ダイジェスト第1巻 |
【内容紹介】この本は、日本文の「左縦書き」の書式によるコンセプトブックになっています。またそのテーマとなる内容は、現代美術家マルセル・デュシャン、哲学者フリードリヒ・ニーチェに関する疑問の論究にはじまり、古代から現代に至る知られざる「人間とサタンとの相剋」の史実を論説することを目的にしています。書式に関して、日本文の縦書きは右から左へ行送りする「右縦書き」が、古来からの慣習となってきました。それには漢文の伝統からの歴史的な経緯があったのですが、この「右縦書き」は、左から右へ字送りする「左横書き」の日本文や欧文とは反対向きに行送りするので、同一紙面上では煩雑になり、また字の筆順の向きとは矛盾し、また右手で手書きするには不向きなので、今日では不合理になっていると考えられます。そのため日本文や欧文の横書きと整合性のとれる「左縦書き」の普及が望ましいと思われます。この本の体裁は、それを実践するコンセプトブックになっています。 マルセル・デュシャンは、晩年のインタビュー集の中で、「人間の創造物のすべてには価値がない。」と言っていたのです。人間の作る諸々の事物に何らかの価値や意味があるとみなすことによって、人間社会はなり立っていると言えるでしょう。それを全否定して憚らない者は、「人間の姿をした人間のアンチテーゼ」と判断せざるを得なくなるのです。この件で筆者の世界観は一変しました。人間外の意識によって、人間世界の言説が侵犯されていることを現実問題と考えるようになったのです。またフリードリヒ・ニーチェは、その代表作と言われる『ツァラトゥストラかく語りき』の中で、「ある時、悪魔が私に語りかけた。『神にもまた自らの地獄がある。それは人間への愛だ。』ついこの間も、私は彼がこの言葉を言うのを聞いた。『神は死んだ。人間への憐れみによって神は死んだ。』と書いていました。フリードリヒ・ニーチェは、「神は死んだ」と悪魔が言うのを何度も聞いたと書いていたのです。それがフリードリヒ・ニーチェが自身の思想として「神は死んだ」と言及したと誤認されてきたと言えるでしょう。 こうした見解が契機になって、本書では紀元前のアクティウムの海戦から、20世紀の第二次世界大戦までの「人間とサタンとの相剋」に関して論述しています。本書は全七巻を予定していますが、一九三五年までのことが概説された第一巻の目次の概要は以下のようになっています。 序──発端 第一論文:「禁断の史実」・ダイジェスト (現代美術マルセル・デュシャンの言動の分析) 第二論文:「解題『ツァラトゥストラかく語りき』」・ダイジェスト (フリードリヒ・ニーチェ著ツァラトゥストラかく語りき』の分析) 第三論文:「エクストラ・ヒューマン=アポカリプス」・ダイジェスト 第一部:前史―もう一つのトリニティ(紀元前31年のアクティウムの海戦から1096年に始まった第一回十字軍まで) 第二部 一九世紀末の「神の死」 第三部 二〇世紀のハルマゲドン——七つの頭と十本の角をもつ獣の到来 ( 1935年までの論述。1936年以降は第二巻以降に収録予定) A5判 463ページ 価格¥3,300+税 |
この『アポカリプス・ダイジェスト』(全七巻の予定)は、日本文の「左縦書き」の書式によるコンセプト・ブックになっています。
この「左縦書き」の普及は、論考の過程で派生した観点だったのですが、従来の「右縦書き」の慣習は不合理になっていると思われるため、「左縦書き」の普及を促進することを目的にしています。
左から右へ字送りする日本文や欧文の「左横書き」と整合性がとれ、また字の筆順とも矛盾しない「左縦書き」の普及の実例になるために、本書はあまり前例のない「左縦書き」によるコンセプトブックになっています。
本文が「左縦書き」になると、「横書き(左横書き)」の本と同様に、左綴じの本になります。 |
「左縦書き」の紙面例(目次ページ) |
上記は、目次ページを例にした「左縦書き」の紙面です。活字は手書きされるわけではありませんが、左上から右下に向かって書かれるそれぞれの字の筆順と、「左縦書き」による左から右へ行送りの方向が一致しているのがわかると思います。 日本文に「左縦書き」の慣習はなかったのですが、慣れてくると、この方が自然に感じられてくるのではないでしょうか。 |
Satoshi FURUI Artist PhD
ICONOPLANT (office)
(E-mail:satoshifurui7@gmail.com)